FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN
映画でもなし、ゲームでもなし、アニメでもなし、なんだこのカテゴリ。とりあえず映画とアニメを付随しておく。
3度も観たのでここら辺で私なりの思う所を書かせて頂こうかと。\4,000弱という値段でこのボリュームには正直頭が下がります*1。30分のOVAとかでも\5,000円越えるこの御時世に、この価格。CGを駆使し、アニメ的な表現を行いつつ、FF7というゲームの世界を再現した完成度は極めて高く大成功だと思えた。バトルシーンなんか特に凄くて、実写ではまずありえない動きを平然と見(魅)せてくれる。1度観ただけでは速すぎてどういう動きをしているのか捉えにくい部分があるが、2度3度観続けて各々の動きが良くわかると楽しくて仕方が無い。それも含めて、1度だけでなく2度目が観たくなる雰囲気を出している。バトルシーンだけが凄いかといえばそうでもなく、回想シーンなんかも幻想的で一種の安心感に包まれる、そんな感じを体験できる。
主人公がクラウドであることには違いないので、他のキャラクターの登場が少なくなることはわかるけど、そうはいってももうちょっとキャラクターの登場回数をバランス良く出来なかったものだろうか。ティファとヴィンセント、レノとルードの活躍が目覚しかったですけど、その他の人たちは登場シーンは数えるほどしかありませんでしたなぁ。まぁ少ない分細かいところは良く表現してたと思いますけど。
クラウドは流石主人公と言うことだけあって、出番は随一。ヴィジュアルフェイスでカッコ良く決めてますけど、そんな彼が女装したり覗きしたりティファの部屋物色して赤面したり、舞台に出たりチョコボに乗ってハッスルしたりしてたなんて想像できませんな。フェンリルや剣のギミックなんかも面白かったなぁ。剣が合体したり、分離したり。そういえば全体的にガンアクションよりソードアクションが多かったですけど、やっぱりそのあたりは日本的なんでしょうかね。チャンバラ。いや、まぁ持ってる武器に剣が多いからそうなるのは必然ですけどね。あと、FF7で持ってた苦悩をもう一度見せられるのはどうかと思う。再認識、という形でいいのかな。
一方、ヒロインとして登場のティファ。なんだか妙に大人チックですが、彼女の格闘戦もなかなかの見物。それまで違和感あって入り込めなかったFF7ACですが、ロッズとの戦闘で教会の壁へ吹っ飛ばされて壁に足をつけた瞬間に花びらが舞い上がるシーン、あそこで完全にFF7ACに引き込まれました。この瞬間「あぁ、FF7ACはこういうもの*2なんだな」と感じ、これ以降の映像も目線を変えたためほぼ違和感なく観る事が出来ました。私からしてみると、ティファがこの世界へ引き込んでくれたといっても過言ではない。
また、他の仲間よりちょっと優遇されているヴィンセント。登場シーンが若干多いのですが、カダージュ達からクラウドを助けた後の会話がまた興味深かった。クラウドが「罪って許されるのか」と問いかけると「試したことは無い」と答えるアレ。彼ら二人とも「罪」を持っているはずなのに、許されようとするクラウドと許される気もない(はずがないと諦めている)ヴィンセントと、意味深で対照的な、なかなかに興味深い会話でした。あと、マリンに言われて悔しかったのか「電話屋はドコだ」ｗ
クラウドサイドの仲間としてやっぱり(個人的に)一番なのはユフィとシド。ユフィなんか、きちんと「乗り物酔い」のステータス引きずってて、パラシュートで降りた後に「うっぷ」って吐きそうになってたし*3、「忍者」のステータスもきちんと持っているので壁も走って登ってましたし。レノは「おりゃー」とかいって壁を這い上がっていたのにね(笑)。あ、でもクラウドが一人でカダージュと戦っている所を飛空艇から見ているシーンでは、全然酔っている雰囲気は見せてなかったなぁ。カメラ回ってたから我慢してたのか(違)。……ん？パラシュート？なんでユフィはパラシュートで降りてきたんだ？あの高さなら忍者のスキルがあるから全然平気なはずなのに。むしろパラシュート必要なのはバレットの方だ。
シドはおっさん臭さを持っていて*4、バハムートを追うために鉄骨の上走ってる時なんか辛そうだった(笑)。でも流石「空の漢」。走ってる時は辛そうだけど、ジャンプしちゃえばシドの領域。地上での動きと、空中での動きが全然違うあたりが凄かったです。新型飛空艇を操縦している時の姿もキマってました。流石、臨時とは言え一時的にリーダーをやっていただけの貫禄はありますな。バレットの「おいシド、早く降ろせ」の問いに「ジャンプしろ、ジャンプ」と答えたのには笑った。シドの十八番だからってのもそうだけど、こんな理由でも笑えたりする。
ティファ→バハムート戦でもあの高さからで平気
レッドXIII→獣
ケット・シー→メカ
ユフィ→忍者
ヴィンセント→超人
シド→リミット技「ジャンプ」保有者
バレット→お前だけジャンプできねぇんだよｗ
そのバレットもなんか面白キャラになってるし。始めの声だけ登場の時*5なんか、一瞬アニマル浜口が演じているんじゃないかって勘違いしちゃったよ。なんだ、あのテンションｗおまけにバハムート戦ではピンチばっかりだし。FF7の時からこんな調子だったっけ？ｗ
アニマル繋がり(!?)でレッドXIII。冒頭のシーンからいきなりレッドXIIIが登場しますが、あれって前作FF7のラストだったわけですけど、まさかあぁいう始まり方とは思わなかった。多分FF7をクリアしてすぐFF7ACを観るとすごく自然な流れで繋がるんでしょうな。……同時に時代ギャップも感じ取れるでしょうが。そういや、レッドXIIIってどういう戦い方してたっけなぁ、殆どFF7の事忘れてるし。FF7ACじゃ噛み付きしかしてなかったけど……。あんまり戦力になってない？(酷)
戦力になってないって言えば、ケット・シーの方が当てはまるか。レッドXIIIの上に乗ってるだけじゃんｗ戦いのシーンに参加しなくても良いから、他に使いようはあったんじゃないのかなぁ。スパイが本業だったわけだし、あの格好なんだから、カダージュ達やルーファウス達の偵察任務とかに就けてあげても……。……すぐ壊されるのがオチですが。ケット・シーもFF7でどういう戦い方してたっけなぁ、武器に法螺貝があったことしか覚えてない。FF7AC最後の方ではケット・シー本体がマリンに抱えられていて、まるでぬいぐるみ扱い。
話ちょっと変えて、音楽がまた良いですな。新曲もありましたけど、前作の楽曲をアレンジして効果的に挿入している所が好感度高い。ティファvsロッズで「闘う者達」が流れたり、クラウドvsカダージュでは「J-E-N-O-V-A」が流れたり。「エアリスのテーマ」は言わずもがな、「ティファのテーマ」や「タークスのテーマ」なんかもありましたな。あと、サントラの収録曲目見ると「更に闘う者達」もあったようなんですが、どこで流れてました!?それっぽいのはバハムート戦のヤツですけど、そうだとしたらかなりアレンジ入ってるなぁ。個人的にバイクバトルの時には「クレイジーモーターサイクル」を流して欲しかったんですけど、FF7ACで流れていたやつも疾走感抜群だったので、これはこれで……。あと気のせいかもしれないけど、vsセフィロスの「片翼の天使」の歌詞が若干変わってる？聴いた覚えの無い単語が含まれていた気がする。前作ではオルフのカルミナ・ブラーナからの引用で賄っていた歌詞構成ですけど、今回の「再臨：片翼の天使 〜Advent: One-Winged Angel〜」の歌詞はオリジナルなんでしょうか。ちなみにFF7「片翼の天使」の意訳。なかなかに興味深く、また意味深な歌詞です。楽曲で疑問なのは、最後に流れた氷室京介の「CALLING」。タイトルはマッチするけど、あれはどうなのよ……。なんか急に現実に引き戻された感じ。個人的には「ファイナルファンタジー」のまま終わった方が引き締まったと思うんだけど……。
話戻して、FF7ACの内容。よくわからなかった点として、やっぱりストーリーが挙げられますか。各組織が結局何がしたかったのかが不明過ぎです。まぁ、クラウド達は降りかかる火の粉を振り払うだけだったと思うのですが、ルーファウス達やカダージュ達の動きがさっぱり*6見えません。まぁ、そういう難しいこと(!?)は楽しい部分を堪能し尽くしてから考えた方が吉そうですけど。
納得いかない点が一つ。みんな綺麗過ぎ&美し過ぎ!!なんであんなに戦っておいて体に傷つきませんか、服汚れませんか、バイクに傷つきませんか。カダージュ達に冒頭で襲われてなんとか振りほどいた後に、ヒーリンについたクラウド。その時のフェンリルの輝きようったら、滅茶苦茶光沢が素晴らしいんですよ。銃弾受けたり、砂埃まみれになっておいてあの綺麗さは一体何なんだろう。ミッドガルでヤズー達と戦うレノやルードもそう。吹っ飛ばされておいて服につくのは若干の埃(がついていたかも怪しい)。擦り切れてもいないし、顔や手に傷の一つもついていない。凄い違和感でした。これはもう密かにマイティガードとドラゴンフォース*7をかけていたとしか思えない(笑)。
あと最後にひとつ疑問*8。クラウドとティファの左腕に縛ってある赤い布みたいなものって、何なんでしょうか。つーか良く見ると皆つけてるし。何かの、証？……エアリス？
また思う所があったら綴ります。
