中古販売実質容認〜PSE法を自分なりにちょっとまとめる

PSE法ですか、あれ、なんなんでしょうね。なんなんでしょうねって、まぁ電気用品安全法って法律なんでしょうけど、いったい何の意図・意味があるのでしょう。ゲーム機やDTM機器が手元にある私も他人事じゃないということはわかりますが、実のところ内容はよくはわかってなかったりするので、これを機会にちょっと学習。結論から言うと、当初の予定では、「PSE未承認電化製品の販売および拡散防止」を目指したかったようで。


販売はしてはいけないけど買取は禁止していないわけだから、中古販売業者が買取を禁止にする道理は無い。にもかかわらず、ソフマップなんかで買取中止をしているのは、結局買い取ってもPSEマークを付けないと売ることができないからなのだろう。マークを付けるにしても、検査なんかに金と時間がかかることは明白だしね。


しかし、一見買取→中古販売の流れはメーカにとって嫌悪されそうなルートだけど、実際はそうでもないようで驚きだ。ここらへん、コミックやゲームソフト、CDなんかとは事情が違うらしい。不必要になった製品を中古として買い取ってもらい、別の新製品へ買い換えてもらうという図式が成り立つからだ。PSEマークが記されていない電化製品は販売できない、だから中古販売業者は商売にならない、だから中古販売業者は買い取らない、だから消費者は使えるけど使わなくなった商品を売れない、だから新製品に買い換えない。
モノを大事に使い続けるという精神は生まれるだろうけど、メーカとしてはモノが売れなくなってはどうしようもない。中古買取は製造メーカも納得しているシステムであり、この流れを抑止することは製造業者、中古販売業者、消費者、いずれにとってもメリットがない。あるとすれば、昔の製品を中古として買った消費者や売った業者に対し、仮にその製品が漏電なりなんなりを起こして火災が起きたとしても、「ほら、うちらが注意したじゃないか」と責任を消費者もしくは中古販売業者に転嫁させることで、経産省が自分たちには非がないと言い張り責任逃れができることぐらいだろうか*1。といっても、長年使った電化製品が火災をおこすとか、ナショナルのヒーターじゃあるまいし*2、ニュースになったことを観たことが無い。たこ足配線+ほこり、みたくアダプタ面での出火原因なら考えられるが、それは製品の内部構造とかそういった問題ではなく使い方の問題だ。PSEマークが付いていない昔の製品は「今まで長期的テストを行っていた」と考えれば、むしろ新品より安全性は高く思える。


でも、ここで「じゃあ本当にこの法を施行する意味があるのか?」と思うのはお門違い。っていうか、中古製品やビンテージ製品ばかりに目が行ってるけど、本来は現行の製品でPSEマークが付いて無いものを抑制する法律で、当初中古製品なんかは全然眼中に無かった様子なのですよ。それがココへ来てやれ中古品が売れない、やれビンテージ楽器を自由に出来ない、なんて騒ぎ出したから経産省も対応に慌てふためいちゃったわけで*3。そんでその部分だけクローズアップされて「中古品に対する規制」な感じで世に広まっちゃったわけですな。けれど、抜け道に使われたり悪用されたりする危険性もあるので、中古品を例外なんかにするわけにもいかない。かといって、敢えて「中古品も適用範囲」とかも記していない。そんな感じでなんかあやふやにして誤魔化していたけど、どうにもならなくなったって現状でしょうか。いや、だからってあやふやにせずに適用範囲をきっぱり線引き*4されても、それはそれで厄介なことになるのがまたなんとも……。


で、ココへ来て先週、規制緩和ってわけじゃないけど、経産省が考えを改めたのか実質中古販売容認の姿勢をしだしてきた。ちょっとびっくり。
内容まとめると、
PSEマークなくても販売できますよ」
「でも売った後でも販売業者は安全確認することを約束してね」
「それまではレンタルって扱いにしとくから」
「一応これは検査機器が普及するまでの暫定措置だから、そこのところヨロシク」
ってな感じ。でも結局、最終的にはPSEマークを付けることにはなるんだよね。これは変わらない。


うん?まとめたつもりなのに、なんか長くなった?たまにこういうの書くと長くなっていかんな。中古品でない通常のPSEマーク無表示電化製品に対して準備していたPSE法が、世間では完全に中古品のみを規制する悪法として間違って認識されているのが面白い。でも、こんな事態になるんだったら中古品のみを対象とした法律を別に作ったほうがまだ筋が通る、って某アナリストが言っていたなぁ。その通りだと思うよ。実質中古品に関しては販売容認って形を取れたんだし、猶予時間をある程度伸ばせたんだから、経産省は少し考え直してみたら?


電気用品安全法@2chまとめ
PSEなし中古品販売を事実上容認 - ITmedia NEWS
中古販売実質容認報道の罠 (1/4) - ITmedia NEWS

*1:実際は何かあったらPSE法を運用して市場で問題があった場合に対処するためデス、念の為

*2:これは火災じゃないけど、まぁニュースになった例として。

*3:はじめの方は慌ててなく強硬な姿勢をみせていたけど。

*4:何が中古で何がビンテージか、とか。そんなことされてもビンテージってモノは「ここからここまで」ってものはありはしない。